技術全景
AI定量評価は糀牛の全工程を貫く技術の主軸です。生体選別を定量的に最適化し、麹菌飼料の有効性を検証し、最終的に予測可能な品質をチルド製品として実現します。糀牛が提供するのは、単一の牧場ではなく、再現可能な技術体系です。
生体選別
12か月齢で採血し、AIが高ポテンシャル個体を特定します。
麹菌飼料
発酵で風味の土台を設計し、2–3か月以内に飼料の効果を検証します。
肥育管理
品質は出荷前に予測済み。製品は「02 精肉卸」へ引き継がれます。
糀牛 KOJI-BEEF・技術供与側
- 日本の和牛育種思想・血統選定(雄・雌それぞれ2頭の種畜×独自アルゴリズム)
- AI定量評価・生体選別と飼料検証
- 麹菌発酵飼料の設計・自社開発プレミックス(提携牧場へ単独供給も可)
- チルド・熟成(枝肉冷却熟成)工程と品質基準
- 中国の食文化に合わせた製品改良と配合
提携牧場・現地生産能力
- 和牛交雑牛(F1/F2)の飼養と繁殖(提携拠点で約1万頭)
- 黄河デルタからの飼料の近距離供給
- 現地の飼養チームと施設(約80名)
- スケールメリットのある生産能力(計画敷地約1,000畝=約67ha)
AI定量評価
肉の「量と質」は遺伝と飼育の両方で決まります。従来の格付けは等級を付けるだけで美味しさとは同義ではなく、しかも出荷(約30か月齢)まで結果がわかりません。AI定量評価は、評価の時点を約18か月前倒しします。
採血・AI定量評価
遺伝子発現を分析します。
2–3か月以内
飼料・添加物の効果を検証します。
出荷
品質は事前に予測済みです。
枝肉品質指標 7項目
| 指標 | 評価範囲 |
|---|---|
| 枝肉重量 | 300–600 kg |
| ロース芯面積 | 30–110 cm² |
| バラの厚さ | 4–12 cm |
| 皮下脂肪の厚さ | 1–5 cm |
| 歩留基準値 | 65–85 |
| BMS 脂肪交雑 | 1–12 |
| オレイン酸 | 40–60 % |
技術的背景:近畿大学の20年以上にわたる「AI牛肉技術」研究を基盤とし、2022年に JST START に採択、2024年に株式会社 BEEF SOMMELIER が商用化しました。データは BEEF SOMMELIER の公開技術資料および ALIC の資料をもとに整理したもので、数値はサンプル例です。
血統設計と等級
| F世代 | 和牛血統含有率 | 構成 | 説明 |
|---|---|---|---|
| F1 | 50% | 和牛×ホルスタイン | 糀牛の血統の主体 |
| F2 | 75% | F1×和牛 | 糀牛の血統の主体 |
| F3 | 87.5% | さらに戻し交配 | 和牛に近い形質 |
| F4 | 93.75% | さらに戻し交配 | 業界では「準純血」とみなされる |
| 純血黒毛和種 | 100% | — | 日本国内の主流 |
糀牛の提携牧場は、和牛×ホルスタインの F1 / F2 を血統の主体としています。これは中国市場に向けた意図的な設計であり、価格と品質のバランスを取りながら、口溶けが軽くあっさりとして脂がくどくない「中国の食卓型」和牛を育成します。雄・雌の種畜をそれぞれ2頭に絞り、独自アルゴリズムで選定することで遺伝的な由来を高度に集約し、安定した予測可能な品質を実現します。
歩留等級
1頭からどれだけの肉が取れるか(歩留まり)を示し、Aが最高、Cが最低です。肉の取れる効率を測るもので、「美味しいかどうか」とは関係ありません。
肉質等級
BMS 脂肪交雑/肉の色沢/締まりときめ/脂肪の色沢と質の4項目をそれぞれ採点し、最も低い点数を採用します。肉質3=BMS 3–4/肉質4=BMS 5–7/肉質5=BMS 8–12です。
糀飼料とプレミックス
麹菌は肉に直接作用するのではなく、発酵飼料として育成に関わります。「酵素分解 → 消化 → 肥育 → 脂肪と旨味」という連鎖に沿って、口にしたときの食感を段階的に形づくります。糀牛はこれを自社開発のプレミックスで実現し、提携牧場へ単独でも供給しています。
酵素分解による前消化
3種の主要酵素が飼料の段階でデンプンを糖に、タンパク質をアミノ酸と小さなペプチドに分解します。飼料そのものに発酵の甘い香りがあり、嗜好性が高く、採食が安定します。
消化吸収の向上
前消化と発酵生成物がルーメンと腸内環境を整え、栄養の利用効率が高まり、ストレスが減ります。
より安定した肥育
増体曲線がなだらかで、脂肪がきめ細かく沈着し、サシが均一に入ります。良い食感の物理的な土台です。
肉への現れ
オレイン酸の比率が上がる → 脂肪の融点が下がり、体温に近い温度で溶けます。旨味アミノ酸の前駆体が蓄積し、肉の味がより厚くなります。
舌の上での3つの結果
口の中でとろける
オレイン酸が高い → 脂肪の融点が一般的な牛肉より低く、口に入れた温度で溶け始めます。
香りよく、くどくない
脂の香りは清らかに甘く重たくありません。しゃぶしゃぶや冷製でも、くどくなったり硬くなったりしにくいのが特長です。
より厚みのある旨味
「酵素で旨味をつくる」という考え方が飼料から熟成(枝肉冷却熟成)まで一貫し、アミノ酸が積み重なっていきます。
以上は、和牛肥育における麹菌発酵飼料の報告されている作用の方向性です。具体的な数値は、各ロットのAI定量評価の実測結果に準じます。具体的な配合・菌株・パラメータは当社の中核機密であり、中国の GB 食品安全基準に準拠して運用しています。
提携牧場と技術供与
糀牛は自社牧場を運営するのではなく、日本の和牛技術を核とした提携・技術供与側です。私たちは日本の育種思想、AI定量評価、発酵・熟成工程を、山東省淄博市高青県(「中国黒牛の郷」と呼ばれる地域)にある提携モデル牧場へ移植しています。牧場は黄河デルタに位置し、飼料は近隣で調達できます。
現地化改良
火鍋、しゃぶしゃぶ、焼肉、鉄板焼などの中国式の食べ方に合わせ、AI定量評価を用いて脂肪交雑と赤身のバランス、風味、部位構成を調整し、中国の食卓に適した品質像へと和牛を育成します。これこそが、技術供与側にしかできない中核的な価値です。
規模および人員のデータは、提携先である山東高青モデル牧場の現況によるものです。正式な商談においては、検証済みの最新データに準じます。国内提携ネットワークの拡大状況は、正式な公表に準じます。